大学職員というと窓口で対応してくれる人をイメージされるかもしれません。しかし実際にはそれは大学職員のほんの一部であり、実はもっと多くの仕事があったりします。そこで今回は、中でもイメージしづらい法人部門の仕事についてご紹介していこうと思います。
法人部門?
会社にもあるような裏方系の部署だね。でも大学運営には不可欠な存在なんだよ。
総務部門
最も説明が難しい部門かもしれません(笑)というのも、学生とは接点のない部署である上に名前を聞いても全く想像つかないですよね。総務では主に会議体の運営をはじめとした大学内の意思決定に関わる業務を行なっています。会議一つとっても自由気ままに集まるわけではありませんし、各セクションの議題(決めたいことや報告する内容など)を募集して資料にまとめたりします。
その他には文科省や自治体からの通達を関連部署に周知したり、郵便物の仕分け、大学内のルールである規程の管理などを行なっています。
むむむ…
わかりづらいよね。一言で言えば組織を円滑に動かすための仕事をしているんだよ。
人事部門
私が所属しているところですね。就職活動でどの会社さんでもお世話になるところなので割と想像に近いものかもしれません。採用や研修などの他には、給与に関わる業務やハラスメントなどの相談が寄せられることもあります。総務が組織の円滑な運用を仕事にしていることと比べると、その構成員である教員や職員が快適に働ける環境を提供するのが仕事であると言えます。
ちなみに私は部署内のジョブローテーションで人事の仕事は一通りやりました。最近では3ヵ年などの人件費支出予測など経営の一部を担う業務も任されていますので、非常にやりがいを感じています。
財務部門
大学のお金の流れ全てを管理している部署ですね。こちらは割とイメージどおりかもしれません。大学は学校法人会計という特殊な会計方法を用いていますので、実は専門性の高い仕事だったりしますので、中には銀行などの会計畑の中途採用が行われたりもしますね。大学の収入は大部分が学費であり、その他だと入学検定料や証明書発行手数料、施設の外部出しによる収入、国の補助金、収益事業(大学によってないところも)など多岐に渡っており、3月の決算時期には非常に多忙になります。
施設管理部門
管財課、施設課といった名称のこの部署は、大学の土地や建物を管理する仕事をしています。ここも学生とはあまり接点がないかもしれませんね。土地や建物の修繕や維持が本業なので事務職以外にも技術系の職員(建築士やビル管理の有資格者など)も配置されています。大学には教育に関するお金(教育研究費)とそれ以外のお金(管理経費)の2種類が存在しており、後者の大部分を担っているのがこの部署でもあります。その理由は建物の修繕や維持には多大なお金がかかるからですね。キャンパス再開発などの計画があると、非常にダイナミックな仕事ができる魅力ある部署でもあります。
企画部門
こちらは民間企業のようなイメージを受けるかもしれません。大学も学生を獲得して運営されている以上、行き当たりばったりの方針では到底うまくいきませんよね。そこで3ヵ年や5ヵ年の中長期計画を立てて魅力ある教育サービス実行のために、日夜PCDAサイクルの中核を行なっています。他部署の計画実行の進捗を管理し、質保証と呼ばれる点検作業も行なっています。
就職活動で大学の取り組みを調べることもあるでしょう。学生対応はできないかもしれませんが、大学運営という大きな観点で仕事ができるのは大学職員としてとても魅力的なものであると思いますよ。
まとめ
へー、知らない部門もいっぱいあったなあ。
いずれも大学が健全な運営をしていく上で必要不可欠な仕事をしているんだよ。
学生対応が全てではないんだね!
そうだね。こういう部署に配属されることもあるから、どんな仕事に対しても興味を持つことが大切だよ。